[二人分の茶を淹れて応接室に運んだ時には、
平原出身であることは義父との会話で知られていたようだった。
彼らの仕事の会話にひと段落がつき、子供も会話に混ざることが許されてから口を開くという原則は守っていたが、いざ口を開けば問いばかり。]
「ダーフィトさん…って、お呼びしてもいいのかな。
州都での慣わしについて、気をつけた方が良いことってありますか?」
「行軍練習を、街の外で見たんです。
整然として、練習なのに気迫が立ち上るようで、凄かった」
[あの頃は、全てが物珍しく全てが新鮮で、
会う人会う人に色々なことを尋ねては親切を享受したり、
また相手によっては面倒臭がられたりもしたが、臆することも無かった。丁寧な返答にはうんうんと頷きながら一心に耳を傾けて頭に収めてゆく。彼が相手でも同じように。]