[ 特別なものがない理由
"なぜ?"と、問いかけられ>>65言葉に詰まる
名前もわからない、あやふやな自分自身をのこと
改めて見せつけられたようで]
……特別を持てば、比重が偏るでしょう?
祭壇の羊に情を持てば
贄に捧げた者を憎んでしまうかもしれない
花もそう、ひとつに想いを注げば
それを摘むのが惜しくなる
[ それではいけない。
代わりに行うものとして正しくない。
だから、と小さく付け加え
目の前の堕天使に微笑みかけようとしたけれど
唇が震えて、笑みを作るのが少し難しい*]