[状況への苛立ちにより目の前から逸れていた意識。それを引き戻したのは、鋭く風を切る音。>>67] んなっ……![ここまで飛んでくる矢があるとは正直、思ってもみなかった。矢避けの結界を張るには向こうが速い。なれば、青年に取れるの全力を持って射線上から飛びのく事。それでも完全には間に合わず、矢は左の腕を掠めて過ぎる。暗い空に、微かに紅が散った]