― 王都・広場 ―
[ 広場を照らす陽光を遮るように影が落ちる。見上げれば鈍い銀色の鱗と皮膜翼、白銀の鬣らしきものを棚引かせた騎竜が、ゆっくりと旋回しながら降下してくるのが目に入ったろう。
着地しようとしているのだと悟った人々が身を避けて出来た空間に、ふわりと、危なげ無く竜は降り立ち、その背に在った銀髪の男も、音も無く、地に降りた。 ]
遅れましたか?
[ 静かに問われて、受付の兵が慌てて首を横に振る。 ]
良かった。
北方師団副師団長メレディス・ハクヤ、神子王陛下の露払いの任を承りたく参じました。
よろしくお願いします。
[ 白い手袋を嵌めた手が口にした言葉同様、淀みなく敬礼を型作った。**]