― マーチェス平原/辺境伯side ―
[赤と紅を余韻に残し、アルブレヒトは零れ落ちる音>>44を聞く]
「─── 何故、か」
[く、と口元が笑いのようにも苦いようにも見える形で歪んだ]
「平行線を画く道を一つとするには、方法など他にあるまいに」
[どちらも折れぬなら、折るしかない道。
裏切り者と罵る声>>45に口元が再び複雑に歪んだ]
「裏切り者…聞き飽いた言葉だ。
この戦が私が引き起こしたと言うのなら……私が収めるまでの話よ」
[罵られるを厭うなら、今この座に身を置いてはいない。
全てを覚悟の上で、アルブレヒトは15年前、己の手を染めたのだ]