[新しい場所での生活は、穏やかで優しかった。時々ふと、どこかがからっぽになるような心地を感じる事もあったけれど。それは、いつかの約束で埋めて。そうやって、ここで生きて行くんだ、と。思っていたはずなのに──全て、突然閃いたあかい色に飲まれてしまった。自分が生き残ったのは、本当に偶然の作用。それでも、あの時、気づいてくれた人がいなかったら、多分、きっと]