― 5年前・ベルサリス学館 ―[議論の合間に鈴を鳴らすような声が挟まれた。陽の光そのままの髪を背に揺らす彼女に、身体を向ける。] キール、[名を呼ぶときには、いつも不思議な感覚がする。多分それは、彼女の本来の名ではないから。]