[けれども、クララは鼻をすんと言わせる。
海のにおいは普段と比べてどうだっただろうか。うみねこはやけに騒がしくなかったか。]
でも、さっきから肌を撫ぜる風がしめっぽいわ。
それに今日の海のにおいはずっと濃いわ。
わたしにはその理由が何だか分からないけれども何かが来る気がするの。
[クララは海の事情を知ってる訳ではなかった。だけども、何か予感めいたものを肌で感じ取っていた。
気のせいではないかと鼻で笑われてしまうかもしれないけれども、クララは至極真面目な顔をして意見を求め二人を見た。
そういえば、浜辺で死体が上がったなんて噂も出ている。]