[以前ゲルトを交えての酒盛りの際は、オットーは予想より随分飲んでいた記憶が残っている。でも自分への対抗心が理由とは知らなかった。飲みたい理由は敢えて問わずにいたから。
次の日頭痛で辛そうなオットーに、モーリッツに教えて貰った二日酔いに効果のある手当てをしたけれども、青年はすっかり忘れている。
でもベロベロに酔っ払ったヨアヒムが、呂律の回らない口調で、ゲルトがおうさまなら自分はこうていになる旨の宣言のあと、椅子の上に乗ろうとして壊した事件はよーく覚えていた。
突然の出来事だったから、ヨアヒムを止め損ねてしまった。
翌日レジーナは非常に怒っていたが、果たしてあの椅子は無事修理できたんだっけか?]