− 野営地 −
[ 再会したベリアンを軽く抱擁する。
戦塵に塗れた友の身体からは、濃い血の匂いがした。
応急手当ては受けたとのことだが、時間をもらって部屋を移り、持ち帰った薬草で血止めをしてやる。
煮沸した海水で傷を洗うときには、あらかじめ「痛いぞ」と予告しておいた。
傷の深さと、彼自身がしたらしい縫合の痕に唇を引き結んだが、文句は言わない。]
後で、傷跡の周囲に刺青を施してやろう。
君の体を自分の作品にする機会を逃すつもりはないよ。
[ 約束どおり、包帯を巻いて、その上にそっと手を置く。]