―回想1年前:嘆きのピエロ―
本日はありがとうございましたぁ!
[何にも立て掛けてない、梯子の上に立ち3(10x1)つのクラブを持ってトスジャグリングを見せた後、ひっきりなしの拍手喝采の中、大袈裟に礼をして見せる。
疎らに去っていく観客の中で、道具を片付けていると1つの鏡。
最近は一人で大道芸をやるのに馴れた。最初見慣れなかった、鏡に映る目の下の大きな雫も、今はすっかり馴染んでしまい。]
どこにいるんだい、××××……
[名前を呼ばれることを嫌った彼女。
それでも教えてくれたのに、どうしていなくなってしまったのか。
ポケットの中に忍ばせている、彼女が消える前に置いていった手紙。
とうとう生まれ故郷にまで戻って来てしまった。
それでも相方のいる場所がどこにいるかも皆目見当がつかぬ。]
さいごぐらい、一緒にいたかったな……
[それなのに、彼女は何処かへいってしまった。]