― 後日談 ―
[報告を携えた結社員と、ヨアヒムの手紙と。村に到着したのはどちらが先だったか。
それがささいなことに思えるほどほっとした。]
そっか。ヨアヒムはゲルトさんと元通り仲良くなれたんだな。
[ゲルトから二度と顔を見たくないって伝言でなくてよかった、と言ったときのヨアヒムの顔が浮かぶ。
ゲルトと一緒に姿を消したから、二人は一緒にいるんだろうなと思っていたけれども、それでも心配だったから。
同封されていたヨアヒムの姉宛であるゲルトの手紙は、読まずにそのまま渡した。
知らせを受けて予定を繰り上げて帰ってきたヨアヒムの姉・パメラは手紙を受け取ると、食い入るように文章を読んだ後、一言”馬鹿・・・。”と呟いて、あとは静かに涙を流していた。]