―昨晩:自室―
[“人狼”――と耳にして脳裡に浮かぶのは、自分と、
銀色のうつくしい獣だった、母>>0:141>>1:404のことだけ。
古の契約により、護り手となり、人間を喰わらず生きられる命を得、
軍事クーデターで滅んだ王家を護り続けてきた>>0:448>>0:449
聖なる稀有な銀狼の血筋の―――…最後の純血種。
大多数の人狼が、人間を喰らうことは、知識として知ってはいても。
100年近くも人狼の被害のなかった村に生まれ育ち、
母以外の人狼を知らぬ身では。
遠い国に住む、顔も名も知らぬ良くない親類の話を、聞くような感覚で。
怖ろしいのは、“人狼”よりもーーーー…“人間”の方だと、
ずっと思っていたが故に>>1:404>>1:412]