[その時。ふっと兎の背後、ベッドに影が射した] …ン[背筋の粟立つ感覚。振り向く動作が遠い。後ろから伸びて来た腕に抱き込まれて、口を開けた] あ──知っテる匂い?[兎の真後ろに現れた元老吸血鬼の視線は、ローズマリーに向いただろうか。鎖が微かに鳴る。首元に触れる硬い感触に耳の先が赤くなった]