─ 回想 ─
[私が協会に所属する様になったのは、両親の影響が大きかった。
引退したとはいえAクラスまでいった母と、Sクラスの父。
成長するにつれ二人の背中を追いたいと願う様になったのは、自然の成り行きだっただろう。
けれど、そうすると決めて進んだ道の上で。
両親の名は誇りであると同時に、重圧でもあることに気付き。
周りから、そして私からも。
いつの間にか見えない壁のようなものが、出来ていた。
厭われている訳ではない、けれど好かれている訳でもない。
人付き合いは今でも上手くないけれど、この頃はもっと下手で。
どうすれば良いかもわからなくて、とにかく仕事で成果を上げれば信頼を得られるかと足掻いていた。
彼>>22に出逢ったのは、丁度そんな時だった]