…ま、とはいってもぅ。 魔術もそう便利なものじゃぁ、ないけどねぇ。[空になった杯を卓に置き、ゆっくりと人差し指を立てる] ワタクシの場合。 何かを壊したり、避けたりすることは生み出せても…… 癒すのは専門外だからぁ。 その傷も、[右腕を伸ばし、包帯の上――触れるか触れないかのところで指腹を止めた。赤く塗られた爪が、きつく巻かれた白の上で緩い円を二重に描き何かを弾き飛ばす様に…すっと離れる。イタイノイタイノ、トンデケー。古くから民間に伝わる、オマジナイだ]