[ふと、視線は向けぬままに腰に下げたダーツに触れる。掌よりも小さいそれは、単体では然して殺傷力を持たぬもの。だがそのグリップ部分には小さな欠片のような精霊石が嵌め込まれている。それが精霊術を行使する時の媒体となっているのは、術師であれば気付けるだろう。時には無手で、時にはダーツと共に精霊術を放つのがジルのスタイルだった][複数あるダーツの存在を確かめた後、意識は近衛の責務へと戻る**]