― 回想/10年前・火山地帯 ―
[どうやら旅に出たいというこちらの望みを、あちらは汲んでくれたようだ>>61。
拒絶の態度が見えないことにも、申し訳ないというより安堵や嬉しさが先に立つ。
相手の思惑を察するには、年齢やら経験やら、色々足りていないようだ]
それじゃあきっと飽きちゃうなぁ。
同じ景色ばかり見てるんじゃ、田舎に居るのとそう変わらないし。
[改めて師匠と共に行くことを選んだと告げて。
歩を進めれば、見えて来るのは溶岩の流れる山>>62]
へえ……あんなに熱そうな山を見るのは初めてだ。
あそこじゃ植物も生えないんだろうな。
[樹に属する自身の力とは、相性のよくない場だと内心で思う。
とはいえ興味だとか浪漫だとかは、それとは別の話だ]