[向けられた視線を一度はっきり受け止めてから、軽く逃げていく兎の背へと視線を移し、軽く肩を揺らして、背を幹につけ直す。]
──集団って奴は、同系の思想や理想を持ち合わせている
人間同士で組ませた方が強固になりますから。
将来力を持たせる人間を選り分ける材料としては
俺は結構、納得しますよ。
危険思想の芽なんかも、発見次第早めに排除できますし?
[飄々と雑談のように声は話題を転がす。穿った見方をして遊んでいるような節もいくらかあった。正直に答えてる人間がどのくらいなのかは知りませんけど。と、上を見上げてから、日差しの差し込む角度を確かめるように手の甲に落ちる光の影を見てから、ああ。と、下方の声に頷く。]