そうそう、この前ペーターが取ってきてくれたマルメロ。蜂蜜漬けにした奴がちょうど食べ頃になっている筈だ。
ちょっと待ってくれ、今取ってくる。
[暖炉で冷たくなった手を温めるペーター>>66に告げると、勝手口を出て備蓄小屋に向かい、蜂蜜漬けの瓶をひとつ抱えて戻ってきた。
かちっと音を立てて蓋を開け、匙にとろりとすくいとって珈琲カップに入れた黄金色の蜂蜜を、厨房にいる人数分お湯割にする。]
天気が崩れるときに体調を崩したら大変だ。これは喉の炎症に効き目があるから、風邪もばっちり防いでくれるぞ。
今日持ってきてくれた分はジャムにする予定だ。オットーの焼いたパンに合わせると、きっと美味しいだろうな。
[言外に”こういうときは遠慮なんてしなくていいからな。”との意味を含ませて、ペーターにカップを差し出した。]