― 宿へ戻る少し前 ―
……居ないね……。
[ジムゾン他、同行を申し出る者が居たならその者と共に、宿への道のりとその周辺を捜索する。
吹雪は大分強くなり、二歩分でも距離を取れば一番近くを歩くジムゾンの姿すらほぼ見えない。]
この銀嵐の中だし。
あたしらと入れ違いで宿へ戻ってた、のかねえ……。
[まさか遭難したのでは……そんな考えが一瞬胸を過る。
もしそうだとしたら――そうだとしても、これ以上の闇夜での捜索は危険だろう。]
[先のヤコブがそうした可能性については思い至らなかったけれど]
[戻りながら捜しているうちに、宿へと辿り着いて]