お知り合いなんですね、よかった。
[ 結局名乗りはせずに、そんな風に言って、にこりと笑った ]
お互い訳のわからない場所に来て心細い思いをしていた者同士の御縁で、ここまで御一緒させてもらいましたが、お知り合いが見つかったなら安心だ。
[ 油断なくこちらを見る男は、多分軍人だろう。それも恐らくは指揮をとる立場の実力者。
彼ならジルを護ることも出来るだろうと容易に判断がついた。
隣にいる透き通った翼の男は、少々気配が読めないところがあるが、少なくとも敵対する相手には見えない ]
ジル、貴女はこの方と居た方が良さそうだ。俺は俺で、周りを調べてみます。何か見つけたら知らせに来ますよ。
[ ならば、所詮は迷い出た死人に過ぎない自分のエスコート役はここまでだろう。彼と一緒なら、きっと彼女は自分の帰るべき場所へ戻ることができる ]