悩んでても仕方ないな。
[ おそらくこの羽根は、自分を探してここに飛んできたのだろうと感じられる。その直感に従って、男は、羽が来た、と、思われる方向へと足を向けた。
歩き出した途端、いつもはショールよろしく肩に巻き付くように収まっている守護天使の片翼が、ばさりと背に羽ばたく ]
やっぱふつーじゃない相手かあ。
[ この片翼が勝手に動く時は、なんらかの異変か、警戒の必要を訴える時と相場が決まっている ]
...と、お前さんがシメオン、かな?
[ やがて、影の天使の姿を視界に捉えると、男は、気安げに声をかけながら、じっと、その存在を探るように金の瞳で見つめた ]
もしかして、人間じゃないのか?
[ 見知った天使と、どこか似た気配。けれど、何かが決定的に違っている...そう感じた* ]