でも、俺はお前とは行けない。
[ 差し出された手を取る事はせず、コンラートはポケットから小さなメダリオンを取り出して、そっとその白い掌の上に置いた。
宇宙船が飛び立つはずだった日、乗組員達は面白がって、船に乗り込む前にみんなで名前と日付を刻んだ記念メダリオンを作った。
コンラートは、土産にしてやろうと、マレンマの名を刻んだメダリオンも作っておいたのだ。宇宙に持っていって、神の国に近づいたメダリオンだと言えば、少年が喜ぶだろうと、そう思って ]
俺は、どうやら、天使には許されないリストに入ってるみたいだからな。
[ 口にしてから、ちらりと告死天使に視線を投げる ]
それに、大将を置いてくわけにいかないんだ。
あの人、ほっとくと、すぐ飯も何も抜いちまうからなあ。
[ 続けた言葉はおどけた調子で、けれど、あくまで自分はマチスと運命を共にするつもりなのだ、という決意は、伝わっただろうか。
たとえ、自らの命を賭ける結果となっても ]