[他の吸血鬼なら簡単に引きちぎれるのだろう。だが、アルビンは弱かった。乱鴉大公の子でありながら、人間でありたいという意識が吸血鬼の恩恵を拒んで]いっ……つぅ……![服の合わせめから吸血蔦が入りこみ、肌を這った。チクチクと、吸血蔦の茎が刺さる感触がする。ぽたりぽたりと血がこぼれ、廊下に香りを零した。ジャンもこいつにやられたのだろうか。そして自分もやられるのだろうか]嫌、だ……、だ、だれか……!