― 中庭・鈴カステラの屋台 ―
[そうして、群青色の相棒と共にカステラの屋台に行けば]
先輩が特設ステージに行ったって……?
[青年は深い溜め息をついた。
>>24推しのステージがあるからと颯爽と出かけてしまったのだと。
青年とは真逆の性質を持った先輩も来年には卒業試験を受ける年だ。
この養成学校での思い出も多く作っておきたいところだろう。
>>36青年とて休憩時間に屋台を見て回ったり、知己の作っている氷像を鑑賞しに行こうと思っている。
けれど青年が屋台を離れてすぐというのは確信犯を疑ってしまうではないか。]
もう、あの人は。
……後で飲み物でも奢って貰うとしよう。全員分。
[それくらいなら許されるだろう。
青年は手を洗って屋台の裏方に立つ。
カステラの生地を作るべく、薄力粉の袋に手を掛けた。]