[皇帝の行進《インペリアル・マーチ》を続けるファミルの後背を護るかの如く、城壁の一角へと進軍した男は光を手繰る青年>>56の姿を見つける]あれだな。[波打つ剣を逆手に持ち、サーコートの下、背に負った短弓を左手で引き抜くと、剣を持ったまま右手で矢を番え、光に狙いを定めた。ぎり、と特別製の短弓が軋む]距離はそこそこ……ってとこか![言い切りと同時、手から離れた矢が風切り音と共に夜空を翔けた。通常の短弓よりは飛距離を出せるとは言え、城壁の上となれば届いてギリギリと言ったところか。それでも放たれた矢は鋭く宙を裂き、光を手繰る青年へと迫る*]