お前は……とんでもなく自由だな。[呆れてそう呟く頃には、その自由に、己自身が惹かれていた][やがて旅を続けると言った相手を見送った後は、何か大事なものを喪ったかのような空虚を感じ……長の座を継いだ直後に「世界を見るため」と、父親を説得して旅立った理由の半分は、その空虚の意味を知る為でもあった]何処に、いるやら…[彼方を見つめる黄褐色にはしかし、確信の色があった。自身の進む道は、必ずその相手と交わると]