[ゲルトの顔を眺めていたら、あの飲んで騒いだ晩の事を思い出した。おうさま、の気ままな暮らしを想像してうっとりしたが、良く考えれば今の自分の生活も十分気ままなものだ。特技は無いけど、苦手な事も無い。だから、いわゆる便利屋?頼まれれば何でもやる。畑仕事に買い出し、椅子の修理でも子守りでも、とにかく何でも。暇な時は大抵、丘の上のあの樹で昼寝をしているから、用事がある人はやって来て、下から呼んで起こせば良かった。]