― サロン ―[嫋やかに、時には踊るように流れていた音がふと止まる。喉の奥、ひりつくものを感じて唇に舌を這わせた。] ……少し舐めただけでこうなのだから、 飽きるほどに飲んだらどうなるのだろうね。[飢えに似た焦燥感を、傍らのワインで紛らわせる。酒精は糧にはならないが、香りを楽しむくらいはできた。]