― 医務室 ―
[ 胸中の企みが表情に笑みとして出ていたのだか、
医務室に居た彼に更なる違和感を与えたことに>>55
矢張り、この考古学者は気付くことができなかった。 ]
この船のハゲ山はあのマーティンの"頭"だけで十分だね。
[ 肩を竦めて、
それとなく禿げた大男の頭を思い出しながら、
5日、6日前から「死神」について知っていたと云う
"おじさん"の言葉に派手に嘆息してみせ、 ]
そういうことなら早く言い給えよ君――尤も?
このデータ…死神についてのデータを見る限りだと、
君の言う通りに感情が増幅させられるらしいから、
ただでさえ働かない君の脳が仕事をしなかったのは、
……そうだな、仕方が無かったとも言えるな。
[ 放られた
"おじさん"の言葉を肯定する意図の声を返した。 ]