[>>56シメオンの作った門へと歩く。
目の前に広がるのは懐かしい故郷、そして後ろには――]
…………。
[皆が振り返る。しかし、ダーフィトは振り返らずに歩く。
そうしなければ、きっと未練が残ってしまいそうだったから。
そうして踏みしめる故郷の地]
帰ってこれたのか……。
……。
見せてやりたかったな、この空を……。
[しばし図書館の人工的な空ではない青空を見上げ、生きて帰れた実感を噛み締める。
そうして初めて、任務中に涙など見せず強くあろうとしたダーフィトが、この空を一生見る事のできないユーリエの孤独を想って涙を流した]