[不安と混沌に満ちる街の中、漂う空気には不満と憤りが色濃く混じっていた。己が信じるものを巡った、民同士での諍い。第一王子と第二王子、武官と文官、王宮につきつけた剣とそれを背後から諌めた銃。果たしてどちらに義があるのか、と。材料もないままに言い争い、時には流血沙汰になり、仲裁にきた憲兵にも食ってかかる始末。王宮からの公示が出たとて受け入れ難しという声も多く、不満の矛先は政を司る国そのものへと向かっているようだった。]