― 王宮内・廊下 ―[行く先で話されている事は知る由なく。人の気配の集まるその場所、やや離れた所で足を止めて。最初に紅の瞳を向けるのは、天井下りな雲外鏡]……相変わらず。[小さく呟き、逸らした視線は他の二人へ。どちらも、漆黒の仔犬の姿で幾度か会っているからこちらからすれば見知った者たち]西の騎竜師と、陸軍の新米、か。こんなとこで何やってんだー……ってのは、聞くだけアレか。[恐らくは騒動の関係で集まっているんだろう、という予測はつくから。口をついたのは、そんな言葉]