[その裏で、男は冷静に俯瞰的な視点で周囲を観察する。
ベッドの中でごろごろしながら、今後の対応はショーの始まりを知ったときの人間の態度次第と考えていたから。
人狼を恐れ、憎み、敵とみなして排除しようとする者は多いだろうが、逆に人狼側へ引き入れられそうな者はいるか。
男を信頼する人間は、あるいは疑う人間は誰だろうか。]
……。
[悲しいのに泣けないと言った風情でため息をついているのに、幼馴染を襲った悲劇を心から悲しめない己を自覚しながら、男は頭をフル回転させた。
最悪の場合同胞と二人で計画を遂行しなくてはいけないだろうが、協力者は得られた方がずっといい。
さてそれは何者か。あの狂乱に満ちた舞台を見せ付けられて、それでも共にショーを盛り上げたいと希望する酔狂者は。
いるなら出て来いと男は心の中で挑発的に叫んだ。*]