― 庭園 ―
[改めてやって来たその場所に漂う臭いに顔を顰める。
先ほどはよく見なかったが、屋敷の主の亡骸に刻まれた傷痕には、覚えがあった。
近い所では、村長に今回の隔離を思いきらせる切欠となったのであろう、村人の亡骸。
遠い所では、かれこれ六年前、旅の途中で立ち寄った村で起きた惨劇の犠牲者たち。
そこにある痕は容易くそれらを思い起こさせるもの]
……もう、二度とって。
思ってたんだけど、なぁ。
[小さく呟いた後。
広げたシーツの上に亡骸を下ろし、その内へと包んでいく。
白いシーツに滲む色は、この先を暗示するかのように見えた]