― 天使の翼教会 ―
[ 影の天使の前に跪くマレンマの姿に>>62内心で吐息を零す。そいつは主の命なら、簡単にお前の首だって搔き切るぞ、と言ってやりたい気分だったが自重した。
今の所、話を妨害する様子を見せない相手を>>61余計に刺激する益は無い ]
マーレ。ああ、久しぶりだな、大将も俺も忙しかったから……
[ ラド兄、と、呼ぶ声は>>63大人びてはいても、以前のままの親しみをもって耳に届いた。浮かべた笑みも、さして変わらぬように見えるのに、その言葉は、どこか現実離れして遠く聞こえる>>64 ]
うん、お前は、小さい頃から信心深かったからな。
天使に、本物の慈悲があるってなら…お前が無事でいてくれるだけでも俺は嬉しいよ。
[ 死を救いと言い放ち、ただ空を目指しただけの人間を警告ひとつせず、容赦なく殺戮した天使など信じられない。
喉まで出かけた言葉を飲み込んだのは、本当にここに集まった信者に、天使達が手出しをしないというのなら、彼らにその安全を手放せとは到底言えないと思ったからだ ]