……平和に慣れて、飼い慣らされて、 それが幸せだと信じていられたら…、 いや、実際にそうであれぱ…よかったのになぁ。[ 多くの民のように。 …あるいは臣下でも、軍属の者だっていい。 平穏には終わりが訪れるものだと 身をもって知ってさえ、いなければ。 歯切れの悪い言葉を問い質すことはせずに ぽつりと小さく呟いた声の中身は 繕わない本心からのものであったけれど、 思わず本音が零れたことに気が付けば いかにもバツの悪いといった体で黙り込んだ。 ]