―午後・窓辺―[甘くて瑞々しい苺を舌先で転がしながら、ねぼすけうさぎの頬の上に置いた苺の行く末を見守った。強請るように開かれる唇に気づくと、頬の苺を摘んで餌付けを行った。思いの外楽しい餌付け行為は、相手の覚醒と共に終了してしまったか。睡眠を満たした後の欲求は食欲らしい。>>49腹が減ったというリヒャへ『台所や貯蔵庫に色々あった』との情報を伝え。ずるずると毛布を引き摺り動き出すうさぎを見送るとぼんやりと窓の向こう、風に揺れる木々を眺め苺を食べ]