[アールグレイの香りを乗せた湯気が鼻腔を誘う。
特に断るわけでもなく、庭側が見渡せるよう隣に腰掛けて]
俺も相伴に預かろうかな。
ねぇ君、今ある茶葉の種類を見てきてくれる?
[ドールにそう言いつけると、背凭れに体重を預ける。
この鳥籠内の建物も家具も、一級と呼べるものばかりで
最早なくした暮らしでは味わえないものばかりだった。
背を重めに預けたところで、拵えの良いチェアは悲鳴すらあげない]
どう手入れしてるのかな、この艶は。
[ギィの持つ紅茶のカップが置かれたタイミングで、
彼の長い髪の先にむけて、*そっと手を伸ばした*]