― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[アデルとノトカーの会談は一段落したらしい。
姫が見学の許しを出す>>60と、客人は好奇心を隠さぬ様子で顔を綻ばせた>>63。
先程までより幼く見える表情に、こちらも少しだけ肩の力を抜く。
船に対し純粋に興味を持ってもらえるのは、乗組員としても鼻が高くなるものだ。
そして船内の案内は姫に任せる訳にもいかず]
――失礼。
『八幡』で航海士を務めます、ミヒャエル・キタミです。
見学をご希望でしたら、私にお申し付け頂ければ。
[そう、一礼と共に名乗りつつ、役目を買って出る。
わざわざ自分から声を掛けた辺り、縁遠い異国からの客人に、興味がないとは言えなかった*]