[すれ違いざまに降ろされた手の甲にとんと、自身の指先を触れ合わせて。するりとソマリの人差し指と中指だけに指先を絡めると、軽くそれを握り締める。視線は重ならないままに。自身の手の熱さだけを伝えるそれは、ほんの束の間のこと。指先から手を離せば、船室へと。*]