[今のイェンスは知らない、大事な場所。
幼い頃には教えられていなかった理由は、今はもう知っている。
あの地に埋まる大きな魔石が、あの地の安定を守っているのだと。
今は知らぬものが多くとも、古くの伝承には残っているところもあって。
なんの旨味もない集落をイェンス達が襲ったのも、きっとあの場所が狙われているからだ、とは見当もついていたから。
そんな訳で紡いだ願いだが、元からあてにして来ていた訳ではないから受け入れてもらえなくても別に構わず。
それよりも、いつの間にか神魔の後ろに控えるように立つ>>61女の子が──もしかしたら、、桜色の髪の人も──いつから居たのだろうという疑問の方が大きかったかもしれない。
そんな疑問を口に出す間も無く、>>57神魔がすい、と差し上げた右手。
紡がれた言葉からふわり落ちた菫青石の光が作り上げるまぁるい宝珠の美しさに目を奪われて。
唄う呪から増される煌めき、飽和したように弾け飛んだそれは、舞い散る花弁のように私たちへと降り注いだ**]