[後方で砲撃の応酬がある。第一艦隊巡洋艦2隻とウルケル戦艦アードラーの戦いだ。中破していた巡洋艦の足が鈍っていた。遅れてゆく艦から、回頭して敵艦の足止めに専念する旨、申し出があり、許可する。あくまでも敵旗艦は撃ち返してこないと、報告されるまでもなくアレクトールは肌で感じ取っていた。] 闇雲な撃ち合いを避けている。 提督は実のところグロル海峡の開放に賛成か。 ウルケル海軍の意地はもう見せたと? 否── 俺に説教《ゲンコツ》のひとつも落さねば酒も不味かろう。[いっそ、ここで勝負を受けようか。疼く。が、]