ただね、少し、ね。
貴方のお父様かもしれない人を、悪く言うつもりはないけれど……。
吸血鬼という存在は、特殊よね。
寿命と言う時間に縛られていないから……、
使徒とも渡りあえる強大な力があるから……、
少し、大事なことが分からなくなっているのかもしれない。
昔は分かっていたことを、忘れてしまっているのかもしれない。
私は、野茨公達と話すつもり。
アデルは、ジークムントともう一度話した方がいいわ。
[ ……もしかしたら、
身勝手な救済という思い込みを、望まぬ彼らに押し付けてることになるのかもしれない。
そうだとしたら、滅びるのはユーリエの方だろう。 ]**