[飛び交う罵声を止めようと懇願する弟>>58
どんな表情で弟は周囲に願っているのだろうか。
心に重責を落としながらも、決して表には出さずグラスに注いだ毒が含まれてる水を煽り喉に流し込む。
空になったグラスをテーブルの上に静かに置き、ふと視線をある所に向けた。
別段他意は無い、何気ない気持ちで視線を其処に向けてみたが。
今更ながら通じた者が誰かと問う弟>>59。
此方が何をしたのかと尋ねる様子に、表情が険しい物へと変わっていった。
何を今更、といった何処か冷たさを持つ表情を持ちながらも、一言だけポツリと言葉を漏らす。]
そんな時間は無いはずだ。
これから何が起きるのか分からない筈が無いだろ。
[誓いは幻。嘘、虚実。
今まで送った言葉は“偽り”なのだ、という現実を弟に叩き付けようとする。
聡い弟が、これから先起きるであろう事を予測出来ないとは思えないのも然り。
今更隠しようの無い現実を突き詰めて、幻想から目を覚まさせようとする意思を込め、弟の問いには答えようとしない。]