そいつは良かった。 遅くなったって、話せるならまだ間に合うさ。[弟のことについて話すベネディクトを眩しげに見やる。気づけたのなら、過たないだろう。勇気など、ほんの少しのきっかけで出せるものた。血のつながった肉親がいるのなら、大切にするといい。遙かな昔に失くしたものへの憧憬が、感じないほど微かな残り香のように心を撫でていく。]