― 天上宮・上空 ―[手にした剣をふわりと取り巻く風。>>50何者がそれを呼び起こしたのかなど、確かめる必要もないほどに馴染んだその感触に笑みが浮かぶはほんの一刹那]……はっ![短い気合と共に、と風纏う刃が空を断つ。木気を得て輝きを増した火気は朱の光燐へと転じ、その煌めきに飾られた刃が大風の翼を捉えた。巨鳥の羽が散り、大きく羽ばたいた翼が強風を呼び起こす。瘴気帯びたそれを切り払うように、横一文字に剣を払った後、大風よりも高い位置へと翔け上がった]