[軽く調べて分かったのは、遺書が残されていたこと。
目を背けたくなるような傷を負っているアレクシス殿に対し、
フィオン殿には一切の外傷が見られないことなど。
それらの状況から考えると答えは幾つかに絞られそうだ。
とはいえ、確信は出来ないのだが]
権謀術数に長けたアレクシス参謀は、
外務長官を告発する文書を偽造し、彼に自裁を迫った。
そして脅迫されたフィオン殿は言われるがままに遺書を記した。
だが彼は僅かな隙をついて反撃し、アレクシス丼を殺害。
しかし参謀があらかじめ仕込んでいた毒により、
長官は無念にも席上で息絶えてしまった。
[そう流暢に、どこぞの探偵のように告げて。]
……なんてシナリオは、どうだろう?
[入口付近に居たであろうリヒャルト殿に、そう尋ねてみた。]