─昔語り─
[そんな作業をしながら、ふと思い出すのは父と親しかった軍部のお偉いさんから聞かされたちょっと昔の話。
飛び級の大学出の天才少女が海軍工廠にいる噂を遠く耳にする事があったのは、俺の所属が技術科という名目で工廠所属の者達と一緒くたに呼ばれているからで。
その天才少女が開発した新機関(>>0:184)のおかげで、色々な理由(>>2:97)で止まっていたビスマルク計画が新たなスタートを切ったと知らされたのだ。
父の設計した艦を生かす事を夢見て今がある俺にとって、その日聞かされたローレル・バルサミーナという人の名前は]
[ ──……止まっていた時を動かしてくれた、偉大な人の名前として。
そう俺の脳裏に刻まれたのだ]